皮膚科学の流れ 人と業績・18
Tilbury Fox
高橋 吉定
pp.1098-1100
発行日 1971年11月1日
Published Date 1971/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200883
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William Tilbury Foxは,有名な医師の息子として,南部インゲランドにおいて1836年に生まれた。大学カレッジで,予備教育を受けたのち,ロンドン大学に入学し,1857年に外科は優等,内科は金メダルを得て卒業し,M.B.の資格を得た。その職歴の始めには,彼はランベス(Lambeth)の総合産科病院に宿直医として勤務し,産科に力をいれたので,大腿静脈炎(phlegmasia albadolens)と産褥熱とに関して1篇ずつの重要な論文を書いた。しかし,まもなく毛髪と皮膚との疾患に真菌学的興味を抱くようになり,それ以後は皮膚科学の研究に専念した。
エラズマス・ウィルソンとともに,フォックスは独立した専門科としての皮膚科学の草分けであり,イギリスにおいてこの専門科を医学の有力な分野として確立するのには彼に負うところが僅少ではなかつた。
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