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はじめに
1948年Spitz1)はMelanomas of Childhoodなる題名の下に論文を発表し,その中で小児期の悪性黒色腫は成人のと異なり良性に経過する事実をとりあげ,その臨床的ならびに組織学的特徴について記載し,成人の悪性黒色腫と区別する意味でjuvenile melanomaなる名称を与えた。これはそれまで混沌としていた小児期の悪性黒色腫の診断基準に大きな解明のメスを入れた真に画期的業績である。その後,McWhorterら2)を初めとして世界各国の学者の注目するところとなりその報告が続出したが,最初Spitzが記載したごとき小児期の悪性黒色腫としての臨床的ならびに組織学的特徴をそなえた本症と同じ形のものは成人にも発生することが認められてきて,今日ではSpitzの本症に対する概念とかなり異なつた新たな一病型として考えられている。
本症は欧米ではきわめてその症例が多いが,本邦では大高ら3)の報告を初めとしてなお,37例かぞえるにすぎない3)〜26),55)。最近,著者も成人に発生した本症を経験したので報告する。
A case of benign juvenile melanoma, which was seen on the right earlobe of a 39-year-old man, was reported.
The author concluded that benign juvenile melanoma was a type of nevocellular nevus resulted from an acute benign proliferation of junctional nevus cells.
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