Japanese
English
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若年性黒色腫の1例
A CASE OF JUVENILE MELANOMA
神畠 茂
1
Shigeru KAMIHATA
1
1神戸医大皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe Medical College
pp.309-313
発行日 1965年3月1日
Published Date 1965/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204045
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I.はじめに
いわゆる若年性黒色腫sogenanntes juveniles Melanomは1949年,Allen門下のSpitzにより初めて報告されたもので,当初はAllen1)も記載しているように,「組織学的には悪性黒色腫と同じであるが,臨床的には良性なもの」として,悪性黒色腫の一亜型と考えられ,しかも小児発生が特徴と考えられていた。所がその後,諸家によつて多数の症例が報告されると共に,その概念もAllen2)を含めてかなり変遷し,McWorter及びWoolner3),Miescher4),Steigleder及びWellmer5),Herzberg6),Montgomery7),Duperrat及びDufourmentel8)らの組織学的見解より,今日では本症は複合母斑の一亜型と見倣され,小児に限らず成人にも起り,臨床的には良性とされるに到つた。
本邦に於ても既に原田9),川村10)らの詳細な記載があるが,最近,われわれもいわゆる若年性黒色腫に該当すると思われる1例を経験したので報告すると共に,自験例を含めて本邦症例につき若干の統計的観察を試みたい。
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