Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
1960年,Harris and Keet1)は南アフリカのBantu現地人に認められたXeroderma pigme-ntosum (以下xdpと略す)の6例に各種臨床検査を施行し,多くの代謝異常が存在するのを発見したが,本症に特有なものか,偶発したかは不明のままにした。1962年より1966年にかけて,E1-Hefnawiおよびその一派2)〜9)24)はエジプトにおけるxdpの家系を調査すると共に本症の数10例に生化学的検索を施行した所,血清α2-globulin増加,血清銅上昇,血液glutathion低下,SGOTおよびSGPTの活性変動,尿中17-KSおよび総17-OHCSの排泄減少,アミノ酸尿等と一連の異常を観察し,それらの結果と本症の関係を詳細に検討した。
最近われわれはxdpの3例について同様の検索を行つた所,1例にクレアチンおよびポルフィリン代謝異常とアミノ酸尿症,1例にクレアチン代謝異常,1例にアミノ酸尿症が合併するのを確認した。これらの代謝異常症の型は過去の文献上に見られるものと異なるので,ここに報告するとともに,本症に通常認められる症状すなわち光線過敏性および色素沈着または脱失,腫瘍発生,筋骨異常を含めた発育障害さらには知能の遅れ等の発生機序について,生化学的検査よりどの程度解明され得るかを検討した。
Three cases of xeroderma pigmentosum (xdp) associated with several kinds of hereditarymetabolic diseases were reported. A nine-year-old girl showed aminoaciduria, hypercreatinuria and porphyrinuria. A five-year-old girl had hypercreatinuria and a seven-year-old girl had ami-noaciduria.
The authors suggested that many cases of xdp might have those metabolic diseases and there were possibilities that some of symptoms of xdp were explained by complicated hereditary diseases.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.