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I.緒言
種痘様水庖症の遺伝的発生に初めて言及したのはAnderson1)およびWhite2)であるが,その後10余家系の家族内発生例が文献上報告されている。しかし,ポルフイリンその他に関する生化学的検査法が進歩するにつれて,本症がポルフイリン症その他の特発性光線性皮膚症中の類似疾患から明らかに区別されるようになつたのは最近のことである。従つて,過去の種痘様水庖症例のうちには,今日の時点において考えれば果して真の種痘様水庖症であつたかどうかが疑わしい例が少なくないものと思われる。この意味において,本症が果して遺伝的に発生しうるかどうかについて,改めて検討を加える必要がある。
今回われわれは,種痘様水庖症の3症例を経験したが,これら症例は親子同胞間の発生例であつた。加えるに,この家系内には上記3症例以外にも本症患者と思われる例が多く,濃厚な遺伝関係が推測された。
Three cases of hydroa vacciniforme in a 38-year-old father and 2 out of 4 children, a 12-year-old girl and a 5-year-old boywere reported.
Except above patients 9 cases of abortive form were found in this family tree, that is, 12 cases in one family line. It is unusual to find such a family with high transmissibility of the disease. It seems that hydroa vacciniforme might be dominantly inherited.
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