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特集 皮膚疾患の電子顕微鏡像(2)
Toxic epidermal necrolysisおよび固定疹におけるエオジン嗜好性表皮細胞の電子顕微鏡像について
ULTRASTRUCTURE OF EOSINOPHILIC STAINING EPIDERMAL CELLS IN TOXIC EPIDERMAL NECROLYSIS AND FIXED DRUG ERUPTION
河村 甚郎
1
,
小川 靖子
1
,
山田 瑞穂
1
Jinro KOMURA
1
,
Yasuko OGAWA
1
,
Mizuho YAMADA
1
1京都大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyoto University Faculty of Medicine
pp.429-434
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200326
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I.はじめに
Toxic epidermal necrolysis (TEN)は,1956年Lyell1)により提唱されて以来多くの症例報告をみるものであるが,その成因については,ある患者においては薬剤アレルギーが関係していると推定されるものの2)23)尚不明である3)。
Lyellが,TENを独立性疾患とした特徴的な組織像は,真皮の変化をほとんど伴わず,壊死性変化を主体とする表皮細胞の変化であつた。もしTENが薬剤アレルギーであるならば,このことは表皮細胞自身でアレルギー反応が生じている可能性を示唆する。そこで著者らは,TENと思われる患者において,壊死表皮細胞の形能的変化を中心に電顕的観察を行なつたところ,核,mito-chondriaなどの変化の他に,光顕でeosinに好染する変化に相当すると思われるtonofibrilの変化を認めた。
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