Toxic Epidermal Necrolysis（Lyell）—症例追加

A CASE OF TOXIC EPIDERMAL NECROLYSIS (LYELL)

I．まえがき

　Lyell（1956）が第2度火傷様の皮疹を呈し，組織像では表皮の壊死，有棘層解離を主徴とする特異な疾患をToxic Epidermal Necrolysis（以下T. E. N，と略称）と記載して以来，各国からの報告が相ついでいる。わが国では安田氏が第1例（1963）を発表してから，私らの先に報告した限局性症例（1964）を含めて，文献上記載の明らかなもの7例^1）7），学会発表5例^8）12）を数える（第1表）。私らは今回本症の汎発例を経験したので追加するが文献的考察は前報で試みたので省略しその後の報告例に関する知見を補足して略述することにした。