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文献紹介 Fcエンジニアリングによりneonatal Fc receptorをブロックすることでマウスモデルの関節炎が改善された
松本 奈央子
1
1慶應義塾大学
pp.805
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103421
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自己免疫疾患の治療として免疫抑制剤やステロイド,IVIG(intravenous immunoglobulin)治療が行われているが,副作用や費用の問題があり新たな治療戦略が求められている.
現在注目されているものの1つとして,Fc部位に変異を加え,neonatal Fc receptor(FcRn)に高親和性を持たせた抗体Abdegs(Abs that enhance IgG degradation)がある.自己抗体を介する自己免疫疾患において,IgGの運搬と維持に関与するFcRnが重要な役割を果たしており,IVIGの作用機序の1つとして病原性抗体と競合してFcRnに結合し効果を発揮すると考えられている.FcRnに対する親和性を高め,より低用量で効果が得られるように改変した抗体がAbdegsである.
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