Derm.2012
狼狽
東 裕子
1
1鹿児島大学病院皮膚科
pp.53
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103283
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告白された.しかも同性の患者に.「先生,実は,まだ話していないことがあって…」初診から既に1か月,なかなか症状が良くならず,もう4度目の受診だった.一瞬うろたえた.解決の糸口になるような大事な内容で,教えてもらえなければ何も変わらないままだったかもしれない.話してもらえたうれしさと,告白されるまで長かったことの寂しさと,告白内容の衝撃とかなり複雑な気持ちだった.
初対面の人と話すのは苦手で研修医のころは診察のときかなり緊張していた.その当時と大きく違うのは,診察室に患者が入ってきた時点でどんなタイプの患者か想像しているところではないかと時々思うことがある.診察がスムーズに進められるかどうかこちら側の都合による判断だ.懐疑的な人,神経質そうな人ではないかと思うとかなり慎重に言葉を選んで説明して,無事患者が部屋から出て行ったときにはほっとしていたりする.
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