Japanese
English
治療
ヒアルロン酸注入が有効であった進行性顔面片側萎縮症の1例
A case of progressive facial hemiatrophy successfully treated with local injection of hyaluronic acid
松尾 光馬
1
,
伊東 秀記
1
,
高見 洋
2
,
中川 秀己
1
Koma MATSUO
1
,
Hideki ITO
1
,
Hiroshi TAKAMI
2
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
2タカミクリニック南青山
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Takami Clinic Minami Aoyama,Tokyo,Japan
キーワード:
進行性顔面片側萎縮症
,
Parry-Romberg症候群
,
ヒアルロン酸
,
レスチレイン®
Keyword:
進行性顔面片側萎縮症
,
Parry-Romberg症候群
,
ヒアルロン酸
,
レスチレイン®
pp.713-717
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102696
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 34歳,男性.初診の9年ほど前から右頬部に陥凹が出現した.他の部位には同様の所見を認めず,口蓋,舌の萎縮もない.病理組織学的には,真皮浅層から中層の血管周囲性にリンパ球中心の細胞浸潤を認めた.MRI所見では陥凹部に一致して軟部組織の容積が減少していたが,脳,骨などの器質的変化はみられなかった.以上より,進行性顔面片側萎縮症と診断した.患者が形成外科的な治療を希望しなかったため同部にヒアルロン酸(レスチレイン®)2mlを注入した.施術直後から整容的な面で満足が得られ,3か月が経過しても効果は持続していた.ヒアルロン酸を用いたfillerによる治療は,ダウンタイムがなく効果的であり,今後,軽症,中等症の進行性顔面片側萎縮症においては考慮すべきと考えた.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.