Japanese
English
症例報告
Lupus erythematosus tumidusの1例
A case of lupus erythematosus tumidus
澤本 幸子
1
,
大西 誉光
1
,
神田 奈緒子
1
,
渡辺 晋一
1
Sachiko SAWAMOTO
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Naoko KANDA
1
,
Shinichi WATANABE
1
1帝京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Teikyo University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
lupus erythematosus tumidus(LET)
,
ムチン沈着
Keyword:
lupus erythematosus tumidus(LET)
,
ムチン沈着
pp.561-564
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102361
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要約 33歳,女性.約1年前より出現した頰部の紅斑を主訴に来院した.初診時,両頰部および左前額部に浮腫性紅斑を認め,生検組織像には液状変性などの表皮の変化はなく,血管・付属器周囲に巣状にリンパ球と形質細胞が浸潤し,真皮全層の膠原線維束間は離開し,ムチンが沈着していた.臨床・組織学的所見より,lupus erythematosus tumidus(LET)と診断した.LETは慢性皮膚エリテマトーデスの一型と考えられており,組織学的所見のほか,直接蛍光抗体法が陰性であること,光線過敏を伴うこと,免疫学的異常所見がほとんどないこと,全身症状を伴わないことなどが特徴とされている.しかし,最近散見される本邦の報告例には,それらの特徴に完全には一致しないものもある.今後多くの症例を蓄積することによって,LETと他の皮膚エリテマトーデスとの関連や,本邦報告例の特徴について,さらに検討を加える必要がある.
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