Japanese
English
症例報告
アナフィラクトイド紫斑の経過中に膵癌が発見された1例
A case of anaphylactoid purpura with a pancreas tumor
宮本 真由美
1
,
石川 牧子
1
,
本田 えり子
1
,
十一 英子
1
Mayumi MIYAMOTO
1
,
Makiko ISHIKAWA
1
,
Eriko HONDA
1
,
Eiko TOICHI
1
1独立行政法人 国立病院機構京都医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, National Hospital Organization Kyoto Medical Center, Kyoto, Japan
キーワード:
アナフィラクトイド紫斑
,
膵癌
,
paraneoplastic vasculitis
Keyword:
アナフィラクトイド紫斑
,
膵癌
,
paraneoplastic vasculitis
pp.289-292
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101918
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要約 58歳,男性.膵仮性囊胞内感染,膵炎再発を疑われ,2005年7月に当院消化器科へ入院.9月初旬,両足関節部から足背に掻痒のある紅色丘疹が出現し,当科を受診した.1週間後,皮疹は両下腿に拡大し,浸潤を触れる紫斑が出現したため,アナフィラクトイド紫斑(以下,AP)を疑い,生検を施行した.病理所見では真皮浅層の血管周囲に好中球の浸潤,核塵,赤血球の漏出,フィブリンの沈着があり,leukocytoclastic vasculitisを呈しており,蛍光抗体直接法では血管周囲にIgAの沈着を認めたため,APと診断した.止血剤投与,下肢安静で経過観察中に膵癌(malignant spindle cell tumor)が発見された.経過中に下血,腎機能障害が出現したため,PSL30mg/日を開始し,下血の消失,腎機能改善,皮疹の消退を認めた.悪性腫瘍がAPの発症に関与したparaneoplastic vasculitisであった可能性が考えられた.
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