Japanese
English
症例報告
眼窩後壁の骨欠損,髄膜脳瘤,眼球突出を合併した神経線維腫症1の1例
Bony defect of the posterior orbit,meningoencephalocele and exophthalmos in a patient with neurofibromatosis 1
草間 美紀
1
,
黒坂 良枝
1
,
小松崎 眞
1
,
石地 尚興
1
,
上出 良一
1
,
新村 眞人
1
Miki KUSAMA
1
,
Yoshie KUROSAKA
1
,
Makoto KOMATSUZAKI
1
,
Takaoki ISHIJI
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Michihito NIIMURA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科
1Depertment of Dermatology,The Jikei University School of Medicine
キーワード:
神経線維腫症1
,
眼窩後壁の骨欠損
,
髄膜脳瘤
,
眼球突出
Keyword:
神経線維腫症1
,
眼窩後壁の骨欠損
,
髄膜脳瘤
,
眼球突出
pp.1109-1111
発行日 2003年11月1日
Published Date 2003/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101403
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43歳,女性.家族内に同症なし.生下時より全身にカフェ・オ・レ斑がみられた.生後8か月頃,ハイハイの際,右上下肢の動きが不自然であることに気付いたが,診断がつかぬまま放置されていた.3歳頃,左上下眼瞼から耳前部にかけて軟らかい腫瘤が出現し,びまん性神経線維腫と診断され,部分切除術を受けた.その後も腫瘤は増大し,次第に眼球突出を認めるようになった.神経学的には,知的障害はなく,意識は清明,不随意運動,病的反射は認めない.右上肢および下肢の筋力低下を認めるが,明らかな麻痺はない.左眼の視力はほとんどない.画像検査では,眼窩後壁に骨欠損がみられ,髄膜脳瘤を伴う.また左大脳半球は側脳室が囊腫状に拡大し,視神経は低形成で痕跡状である.神経線維腫症1では,稀に眼窩骨欠損に伴い拍動性眼球突出がみられ,眼窩の再建術が行われることがある.本症例では,患者の年齢を考慮し,再建術は施行しなかった.
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