Japanese
English
原著
自己腫瘍による活性化自己リンパ球移入療法を施行した悪性黒色腫の経験
Adoptive immunotherapy of malignant melanoma with autologous-tumor cell stimulated cytotoxic T lymphocytes
秋田 洋一
1
,
堀 博子
1
,
玉田 康彦
1
,
松本 義也
1
,
加藤 栄史
2
,
高本 滋
2
,
吉川 和宏
3
,
佐賀 信介
3
Yoichi AKITA
1
,
Hiroko HORI
1
,
Yasuhiko TAMADA
1
,
Yoshinari MATSUMOTO
1
,
Hidefumi KATO
2
,
Shigeru TAKAMOTO
2
,
Kazuhiro YOSHIKAWA
3
,
Shinsuke SAGA
3
1愛知医科大学医学部皮膚科学教室
2愛知医科大学附属病院輸血部
3愛知医科大学医学部病理学講座
1Department of Dermatology,Aichi Medical University School of Medicine
2Department of Transfusion Medicine,Aichi Medical University School of Medicine
3Department of Pathology,Aichi University School of Medicine
キーワード:
悪性黒色腫
,
免疫療法
,
活性化自己リンパ球
Keyword:
悪性黒色腫
,
免疫療法
,
活性化自己リンパ球
pp.113-118
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100030
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要約
標準的治療が無効であり,かつ遠隔転移を有する悪性黒色腫患者3例に対し,自己腫瘍で刺激した自己リンパ球を用いた免疫療法を試みた.末梢血リンパ球と腫瘍細胞,および低濃度interleukin-2(IL-2)の混合培養により,刺激・増殖させたリンパ球の静脈注射による投与を2週間間隔で行った.いずれの症例においても,重篤な副作用は観察されなかったが,治療中に転移巣の増大と新たな転移巣形成が認められたため,最終的な治療効果の判定は進行(PD)とされた.しかし,末梢血中腫瘍マーカーの5-S-cysteinyl dopa (5-S-CD)値の上昇鈍化と,1例では,一部の肺転移巣の消失が認められた.治療中に転移腫瘍の生検が可能であった組織の免疫組織学的検査では,腫瘍の周辺にCD8陽性T細胞の浸潤が観察された.これらの結果から,末梢血リンパ球より,腫瘍反応性リンパ球の誘導と増殖が示唆された.
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