特集 高齢者の耳鼻咽喉科・頭頸部疾患—治療とリハビリのてびき
9.高齢者の薬物療法の一般的注意
⑤鎮痛消炎薬
入交 昭一郎
1
1川崎市立川崎病院
pp.164-167
発行日 1998年4月30日
Published Date 1998/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902717
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はじめに
耳鼻咽喉科・頭頸部領域での疾患は,構造上,機能上から感染性,炎症性疾患が主であり,高齢者ではこれに悪性腫瘍が加わる。前者では発熱,疼痛,腫脹などの症状に加えて分泌物や出血,細菌による化膿巣などが急性,慢性に認められる。したがって,抗菌薬に加えて副腎皮質ステロイド薬,非ステロイド抗炎症薬,消炎酵素薬などの各種の鎮痛消炎薬が経口,注射,外用薬として用いられている。一方後者では,疼痛を伴うような場合を除いて鎮痛消炎薬は通常用いない。いずれの場合でも,この領域におけるこれらの薬剤は対症療法薬であり原疾患の治療薬にはならない。
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