特集 全身疾患と耳鼻咽喉科
Ⅴ.循環器疾患
1.循環器疾患における耳鼻咽喉科的症候
柳田 則之
1
1名古屋大学
pp.144-149
発行日 2000年4月30日
Published Date 2000/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902165
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はじめに
循環器の障害は,表1に示すように系統的に分類される1)。即ち,心臓および心膜に起因する疾患,就中弁膜疾患,狭心症・心筋梗塞などの虚血性疾患,原発性肺高血圧症,動脈硬化症,血圧異常などの全身性の血管障害,大動脈およびその分枝の障害,末梢血管障害などに区分され,これらの循環障害においては多少とも耳鼻咽喉科領域に異常な症候をきたすものが多い。一方,耳鼻咽喉科的な異常症候から循環器疾患を診断されるケースも認められ,これらは大変重要な役割を果たすことがある。
そこで耳鼻咽喉科的なそれぞれの症候について,循環器疾患との関連について触れるとともに,循環器疾患の主な症候と合わせて検討したい。
なお,循環器疾患の根本的な治療については専門家に委ねるべきで,本稿ではほとんど触れない。
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