連載 小児の耳鼻咽喉科・頭頸部外科シリーズ
③小児アレルギー性鼻炎の取り扱い
大久保 公裕
1
1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.881-885
発行日 1999年11月20日
Published Date 1999/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902077
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
アレルギー性鼻炎は耳鼻咽喉科領域では頻度の高い疾患である。もちろん,小児の患者も多い。小児アレルギー性鼻炎では気管支喘息,アトピー性皮膚炎の合併が多いこと,これらを含めてアレルギーマーチと呼ばれていることもよく知られている1)。現在,治療は小児科よりも耳鼻咽喉科で行われるケースが多い。これは実際に鼻粘膜を観察し,風邪症候あるいは副鼻腔炎などとしての症状なのかを判断し,治療が可能であるからと思われる。一般に小児のアレルギー性鼻炎の多くは通年性であり,ハウスダスト,ダニが原因であることが多い。しかし,近年スギ花粉症の増加に伴い,小児においても花粉症は稀な疾患ではなくなってきている2)。鼻粘膜所見もハウスダスト,ダニの通年性のものとスギなどの花粉症では異なり,鑑別が必要である。他疾患で小児科を訪れている患児は既に薬物治療が行われており,それを考慮して小児のアレルギー性鼻炎治療を行うことが重要と考える。
本稿では,小児アレルギー性鼻炎の特殊性を中心に病態と治療について解説する。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.