連載 耳鼻咽喉科“コツ”シリーズ 2.検査のコツ
②平衡機能検査のコツ
藤田 信哉
1
,
松永 喬
2
1星ヶ丘厚生年金病院耳鼻咽喉科
2星ヶ丘厚生年金病院
pp.615-618
発行日 1998年8月20日
Published Date 1998/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901850
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I.平衡機能検査の目的
めまいの発症機序には関連する平衡維持機構についての理解が必要である。ヒトの平衡機能(バランス能)を司っている体平衡系は,前庭器,視器,固有受容器の3種類のセンサから入力を得て,脳幹・小脳で複雑に統合・分析を指令し,眼運動系,四肢躯幹系を制御しており,これらのうちいずれが障害されても平衡維持機構が障害され,めまいや固視障害,身体平衡障害が起こり得る。
平衡機能検査は,この平衡の維持機構を調べるとともに平衡障害の病巣を探ること,さらに平衡障害の有無の発見,その程度を検索することを主な目的としている。
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