連載 耳鼻咽喉科“コツ”シリーズ 1.外来診療のコツ
④口腔・咽頭疾患の診察のコツ
髙橋 廣臣
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.283-288
発行日 1998年4月20日
Published Date 1998/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901755
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I.口腔疾患の診察のコツ
粘膜上皮の疾愚か,粘膜下の病変かを見極めることが最も重要である1)。
ただし,粘膜下にある腫瘤性疾患は外方に突出していることが多いので,ときに歯牙や食物などの刺激で発赤やびらん,白苔,出血などを生じ,また粘膜の過緊張による上皮の菲薄化や色調の変化,小血管の拡張・増生などを認めることがある。粘膜下の悪性腫瘍では壊死や病巣周囲炎による粘膜の破綻(潰瘍)をきたす。また,本来は粘膜の病変であったものが経過を経て深部に及ぶことは感染症や悪性腫瘍でしばしば経験する。
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