トピックス 頭頸部領域の乳頭腫—その基礎と臨床
I.頭頸部乳頭腫の病理
三浦 妙太
1
,
辻本 志朗
1
1東邦大学医学部附属大森病院病理学研究室
pp.827-832
発行日 1997年11月20日
Published Date 1997/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901677
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
乳頭腫は,日常耳鼻咽喉科領域の生検,手術材料として遭遇することが多い。とくに成人の鼻閉塞や鼻出血などで,鼻腔,副鼻腔や鼻前底などから採取されるものが最も多い。
鼻前庭は重層扁平上皮,鼻腔,副鼻腔などは円柱上皮の粘膜で被覆されている。この他に骨軟骨,分泌腺,神経や血管などの組織が存在する。そのために様々の腫瘍の発生がみられ,副鼻腔炎などに伴うポリープ様病変,乳頭腫,分泌腺由来の腺腫,骨・軟骨腫,血管腫などの良性腫瘍のほかに悪性上皮性腫瘍(上顎癌),非上皮性悪性腫瘍などが認められる。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.