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ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の頭頸部癌への関与について
Human Papillomavirus (HPV) Related to Head and Neck Cancers
峯田 周幸
1
Hiroyuki Mineta
1
1浜松医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.333
発行日 2004年5月20日
Published Date 2004/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100602
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I.はじめに
今では癌は遺伝子の疾患であることを疑う人はいない。遺伝子の異常が積み重なり,およそ5~10個になると悪性転化してくる1)といわれている。遺伝子に異常を引き起こすものには,放射線や紫外線の被曝,発癌物質の曝露,ウイルス感染などが挙げられる。近年の分子生物学の進歩により,それらの発癌機構が少しずつ解明されている。
頭頸部癌では飲酒,喫煙,ウイルス感染が3大発癌因子である。そして,喉頭癌と喫煙,上咽頭癌とEpstein-Barrウイルス(EBV)感染,下咽頭癌と飲酒といったように,それぞれの部位によって発癌因子の依存程度が変化する。ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)は子宮頸癌の発癌ウイルスとして知られているが,子宮頸癌だけでなく種々の癌への関与が認められる。そして全癌の15%がHPV感染に起因する2)といわれている。
本稿ではHPVの頭頸部癌への関与について述べる。
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