目でみる耳鼻咽喉科
ピアスによる耳垂のケロイド症例について
石井 豊太
1
,
西山 耕一郎
1
,
久野 健志
1
,
古沢 慎一
1
1国立相模原病院耳鼻咽喉科
pp.6-7
発行日 1994年1月20日
Published Date 1994/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900853
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耳垂およびその付近に腫瘤形成を認める疾患には痛風結節,皮様嚢腫などがあげられるが,黒人には稀にケロイドによる耳垂の腫瘤をみる。今回われわれは,ピアスによる耳垂への刺激によると考えられた,両側の耳垂腫瘤を経験した。ピアスは,金属アレルギーや感染の原因となるばかりでなく,ケロイド体質では腫瘤形成も起こすことが考えられ,耳鼻科医にとっては,耳垂病変をみたら,たえずピアスの使用について考慮しなければならないと思われる。
症例は,52歳の日本人女性で,1年前より徐々に両耳垂が腫脹し当院を初診した(図1)。14年前に18金のピアスをしていたことがあった。49歳時に乳癌疑いで手術し,ケロイドの形成を認めている(図2)。
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