特集 外来診療マニュアル—私はこうしている
II.外来治療の実際—私の処方
31.口腔底蜂窩織炎
中田 將風
1
1国立呉病院(中国地方がんセンター)耳鼻咽喉科
pp.210-211
発行日 1991年11月5日
Published Date 1991/11/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900427
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口腔底とは臨床解剖では舌と口底粘膜の下方で,顎舌骨筋より上方の部位である.したがって口腔底蜂窩織炎とは,顎舌骨筋の上方に存在する舌下隙の炎症をいう.顎舌骨筋より下方の顎下隙に炎症があれば,厳密には顎下部蜂窩織炎というべきである.しかし舌下隙の炎症は急激に顎下隙に波及するし,顎下隙から舌下隙にも炎症は容易に進展するので,両者を区別して考える必要はない.したがって舌下隙と顎下隙の両隙の炎症を,臨床上は口腔底蜂窩織炎として取り扱っている.口腔底蜂窩織炎は別名ルードウイッヒ・アンギーナ(Ludwig's angina)とも呼ばれている.
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