特集 外来診療マニュアル—私はこうしている
I.症状の診かた・とらえ方—鑑別のポイントと対処法
32.嚥下困難
丘村 煕
1
,
森 敏裕
1
,
稲木 匠子
1
1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.116-119
発行日 1991年11月5日
Published Date 1991/11/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411900395
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
正常の嚥下運動は随意運動である口腔期(第I期),嚥下反射によって誘発される咽頭期(第II期),蠕動運動である食道期(第III期)の3期からなる.食塊が呑み込みにくいと訴える狭義の嚥下困難は口腔期と咽頭期の障害であり,呑み込むことができるが食道内を通りにくい場合には通過困難とよばれる.ここでは口腔期から食道期までを含めた広義の嚥下困難を扱うことにする.広義の嚥下困難には呑み込みにくい以外に,飲食物の気管内への誤嚥や鼻腔内への逆流も含まれる.なお,嚥下困難とは患者さんの愁訴で,嚥下障害とは客観的に嚥下運動の障害されていることが証明された場合に使う.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.