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あとがき
大石 直樹
pp.986
発行日 2024年10月20日
Published Date 2024/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411203831
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ようやく朝夕の気温が少し下がり,秋めいた日が出てきましたが,9月もまだまだ暑い日が続いています。今年の夏も猛暑でしたが,南海トラフ地震臨時情報や,異例の迷走をした台風10号の記録的な大雨・暴風など,自然の脅威を強く感じる自然現象が続きました。地震の予知は現時点ではほぼ不可能とは聞いていますが,台風10号の進路予想が大きく外れたのは予想外でした。ネット情報では,温暖化の影響で偏西風や海水温が変化していることの影響だったのでは,と推測されているもののまだ未解明のようです。自然科学がこれだけ発達しても,まだまだごく近い将来の予測も難しいことが実感としてわかりました。
翻って私たちがかかわる医学は,不確実性の連続とは言われています。しかし知識と経験は間違いなくその不確実性の幅を狭めてくれます。先月の特集号(「伝えたい レジェンドによる耳科診療の極意」)で,村上信五先生は「予後を正確に判断でき伝えられる医者が名医」であると述べられ,橋本省先生は「その道の専門家は,専門家になろうという意思も重要」と述べられていました。まさに,専門家集団たる医師の在り方を述べられた金言だと思います。そして,今月の特集号は,「頭頸部がん薬物療法—プロに学ぶ最善の選択」です。やはり「最善」と判断できるのは,知識と経験を背景にした「プロ」ですよね。そのプロたちの判断を惜しみなく伝えていただいている素晴らしい特集号となっています。特に中堅・若手の先生方は,ぜひご一読いただき,日々の臨床の参考にしていただければと思います。
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