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あとがき
大石 直樹
pp.92
発行日 2025年1月20日
Published Date 2025/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091434910970010092
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いま東アジア耳科学会(8th East Asian Symposium on Otology)のため,台湾台北市に来ています。2024年は歴史的な円安となり,日本国内でたくさんの外国人を見るようになり,一方で海外に出るのが費用の面から簡単ではなくなりました。11月末の京都での秋季大会に向かうための新幹線の駅ホームでは,本当に見たことがないくらいの数の外国人旅行者たちが列を作っていましたし,また先日のニュースでは,新婚旅行の旅行先として海外よりも国内が選ばれる割合のほうが多くなっているとのことでした。夏にアメリカに留学した若手医局員も,家賃だけで数十万円相当になってしまうために,経済的な面を大変心配しながら渡米していきました。
日本の国際的国力低下が懸念されていますが,日本の耳鼻咽喉科・頭頸部外科にとって,諸外国に負けない活動をし,成果を積極的に海外に向けて発信していくことはとても大事だと思っています。向上心を持って取り組み続けることで,ようやく現状を維持できる,というのはよく言われていることです。海外で発表し,あるいは海外で発表を見ることだけでも,若手の皆さんは間違いなく良い刺激を受けると思います。日本の耳鼻咽喉科・頭頸部外科の地盤沈下が続かないように,ぜひ積極的に海外に出て,海外に触れる機会があり続けることを祈念しています。
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