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特集 達人にきく! 厄介なめまいへの対応法
フレイル症例のめまいへの対応
Treatments of dizziness and disequilibrium in elderly frail patients
松田 和徳
1,2
,
佐藤 豪
2
Kazunori Matsuda
1,2
,
Go Sato
2
1徳島県立中央病院耳鼻咽喉科
2徳島大学医学部耳鼻咽喉科学
キーワード:
フレイル
,
超高齢社会
,
転倒予防
,
前庭リハビリテーション
,
感覚代行
Keyword:
フレイル
,
超高齢社会
,
転倒予防
,
前庭リハビリテーション
,
感覚代行
pp.809-815
発行日 2023年9月20日
Published Date 2023/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411203475
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POINT
●フレイルとは,高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し,生活機能障害,要介護状態,死亡などの転帰に陥りやすい状態であり,身体的脆弱性を主体としながらも,精神・心理的側面,社会的側面における脆弱性をも含む多面的な概念である。
●超高齢社会を迎えた本邦において,高齢者の転倒予防への介入は健康寿命延伸に不可欠である。フレイルとバランス障害やめまいは転倒の危険因子であるため,転倒予防に下肢筋力強化と平衡覚を向上させる運動が推奨されている。
●フレイル症例のめまいは,身体的フレイルや平衡覚の加齢性変化によるめまいからの転倒の予防と,その結果から生じる精神・心理的フレイルと社会的フレイルへの対応が必要である。地中海食をはじめバランスのとれた食事を行い,レジスタンス運動・バランストレーニング・機能的トレーニングなどを組み合わせた多因子運動プログラムを行うことが推奨されている。
●平衡覚の加齢性変化によるめまい患者には,ポリファーマシーの対策を行い,感覚代行や感覚再重み付けの促進など,視覚や体性感覚を利用した体平衡維持へのシフトを促進させる目的で前庭リハビリテーションを行う。
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