Japanese
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特集 あたらしい聴覚・平衡機能検査の見方と臨床応用
《あたらしい聴覚検査の新展開》
chirp音を用いたABRとASSR
Auditory brainstem response(ABR)and auditory steady state response(ASSR)evoked by chirp stimulation
伊藤 吏
1
Tsukasa Ito
1
1山形大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
キーワード:
他覚的聴力検査
,
chirp音
,
聴性脳幹反応
,
ABR
,
聴性定常反応
,
ASSR
Keyword:
他覚的聴力検査
,
chirp音
,
聴性脳幹反応
,
ABR
,
聴性定常反応
,
ASSR
pp.308-313
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202652
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POINT
●chirp音とは,蝸牛基底板に音が伝搬する際の高周波数成分と低周波数成分の時間差(cochlear delay)を代償して周波数ごとの反応に同期性をもたせ,より大きな反応を得ようと工夫された音である。
●Elberlingらは正常なヒト蝸牛の閾値付近の音圧に最も合致するcochlear delayモデルを考案し,このモデルの遅延を適正に代償するchirp音を開発し,自身の名Claus Elberlingの頭文字をとってCE-Chirp®と名づけた。現在,このCE-Chirp®はさまざまな検査機器で利用されている。
●Broad Band CE-Chirp®刺激による自動聴性脳幹反応(ABR)が新生児聴覚スクリーニングに利用され,検査時間の短縮化が報告されている。
●異なる搬送周波数と刺激頻度をもつNarrow Band CE-Chirp®を組み合わせた複合音刺激による聴性定常反応(ASSR)が乳幼児の精密聴力検査として用いられ,検査時間の短縮化が可能となった。
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