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Review Article
アレルギー性鼻炎—歴史,疫学,治療の進歩
Allergic rhinitis: history, epidemiology, and advances in treatment
増山 敬祐
1
Keisuke Masuyama
1
1諏訪中央病院耳鼻咽喉科
キーワード:
アレルギー性鼻炎
,
スギ花粉症
,
鼻噴霧用ステロイド薬
,
舌下免疫療法
,
オマリズマブ
Keyword:
アレルギー性鼻炎
,
スギ花粉症
,
鼻噴霧用ステロイド薬
,
舌下免疫療法
,
オマリズマブ
pp.260-271
発行日 2021年3月20日
Published Date 2021/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202640
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Summary
●アレルギー性鼻炎の有病率は高く,特に近年はスギをはじめとする花粉症の増加が顕著で,かつ低年齢化が進行している。
●アレルギー性鼻炎の治療法選択に関し,海外では鼻噴霧用ステロイド薬の単剤投与が第1選択で,併用療法は推奨されていない。日本では重症度に応じ,併用療法も含めた薬剤選択が提示されている。鼻噴霧用ステロイド薬の抗炎症作用ならびにシステマティック・レビューも考慮すると,鼻噴霧用ステロイド薬を第1選択とするのが妥当と考える。
●小児期に発症したアレルギー性鼻炎はなかなか寛解せず,小児期からのアレルギー性鼻炎の管理は重要であり,アレルゲン免疫療法は考慮すべき治療選択肢である。日本における二大アレルゲンであるスギとダニの皮下および舌下免疫療法が出揃い,さらに自宅で手軽にできるスギとダニの舌下免疫併用療法の安全性が確認された現在,この併用療法も多くの施設で実施されるようになってきた。
●2019年12月,重症のスギ花粉症治療薬としては世界初の抗IgE抗体治療薬となるオマリズマブが承認された。標準的治療に抵抗性を示すスギ花粉症に対する効果が期待される。
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