Japanese
English
特集 耳鼻咽喉科領域の外傷を診る!—初期対応から根治療法まで
外傷性顔面神経麻痺
Traumatic facial paralysis
稲垣 彰
1
Akira Inagaki
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
pp.498-502
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202433
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Point
●外傷性顔面神経麻痺には,神経の断裂から軽度の圧迫などの側頭骨骨折に伴う病変や外傷の際の応力による神経軸索の切断などさまざまな病態がある点が,神経炎という単一の病態であるBell麻痺やHunt症候群と異なる。
●これらのさまざまな病態や障害の程度を的確に診断し,診断に応じた適切な対応をとる必要がある。
●受傷後2〜3日以内に発症する即時性か,それ以後に発生する遅発性麻痺かは臨床上のポイントとなる。
●側頭骨骨折に伴う顔面神経の圧迫で生じた即時性麻痺はelectroneurography(ENoG)値が10%以下であれば経乳突顔面神経減荷術のよい適応である。
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