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Review Article
上顎洞癌に対する超選択的動注化学療法
Superselective intra-arterial chemotherapy and concomitant radiotherapy for maxillary sinus cancer
本間 明宏
1
Akihiro Homma
1
1北海道大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室
pp.1144-1151
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201897
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Summary
●上顎洞癌は主に顎動脈から栄養されており,腫瘍に選択的に動注を行いやすいため,以前から動注化学療法が行われてきた。
●超選択的動注化学療法は,カテーテルを選択的に腫瘍の栄養血管に挿入し,そこから抗癌薬を動注する方法である。そのシスプラチンをチオ硫酸ナトリウムにて中和し,副作用を軽減することにより毎週動注を行い,同時に放射線治療を併用するRADPLATと呼ばれる治療の多施設共同臨床試験が進行中である。
●RADPLATは大量の抗癌薬の動注と根治線量の放射線照射を併用し殺細胞効果を期待する治療で,“三者併用療法”が少線量の照射により細胞性免疫能を賦活化ないし維持することを目的とするのとは異なるコンセプトである。
●RADPLATはIVR医の協力が得られれば導入可能であるが,細かなノウハウが多く,経験豊富な施設を見学するなど,十分に準備をしてから導入することが望ましい。
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