増刊号 患者・家族への説明ガイド—正しく伝え,納得を引き出し,判断を促すために
Ⅰ.耳と聞こえのこと
医師・医療者から説明しておきたいこと
鼓膜形成術を行う前に
田中 康広
1
1獨協医科大学埼玉医療センター耳鼻咽喉科
キーワード:
接着法
,
耳後切開法
,
味覚障害
,
再穿孔
,
鼓膜炎
Keyword:
接着法
,
耳後切開法
,
味覚障害
,
再穿孔
,
鼓膜炎
pp.70-71
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201596
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説明のPOINT
・鼓膜形成術は穿孔した鼓膜を閉鎖させ,新しい鼓膜を再生させる手術療法である。
・穿孔を閉鎖させる手術ではあるが,手術を行っても再度穿孔を生じる可能性がある。
・鼓膜形成術には接着法と耳後部を切開する従来からの鼓膜形成術(耳後切開法)が存在し,それぞれの長所・短所を考慮して,より適切な術式を選択する。
・耳後部切開によるアプローチを行った場合には,一過性の耳介知覚鈍麻や味覚障害を生じる可能性があることを必ず手術前に説明しておく必要がある。
・頻度は高くないものの,術後感染や出血,鼓膜の再穿孔,鼓膜炎などの他の合併症についても説明しておく。
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