増刊号 患者・家族への説明ガイド—正しく伝え,納得を引き出し,判断を促すために
Ⅰ.耳と聞こえのこと
医師・医療者から説明しておきたいこと
聴覚過敏について
森 浩一
1
1国立障害者リハビリテーションセンター病院
キーワード:
音響恐怖症
,
音響嫌悪症
,
音響療法
,
馴化訓練
,
自閉症スペクトラム障害
,
ASD
Keyword:
音響恐怖症
,
音響嫌悪症
,
音響療法
,
馴化訓練
,
自閉症スペクトラム障害
,
ASD
pp.56-57
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201591
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
説明のPOINT
・聴覚過敏では,音が強く響いたり歪んで聞こえたりすることで,つらさ・痛み・不快などを感じ,行動制限も生じ得る。響きや歪みは感音系統の障害によるので改善が難しいが,つらさは改善し得ることが多い。
・うつの合併がある場合を除いて,有効性が確立した薬剤はない。
・強大音でなければ音自体は有害でないことを説明し,心配を軽減する。
・改善のためには,①不快でない音量の音がいつもある環境をつくる,②不快な強大音は避けるか低減する,③徐々に大きい雑音を聞く訓練を行う。④認知行動療法(マインドフルネスなど)を併用することが望ましい。
・他の病態として,音響嫌悪症,自閉症に伴う音響過敏,音響性てんかん(聴覚性発作)などがあり,対応が異なる。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.