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特集 頭頸部癌に対する薬物療法—最新情報
術後(化学)放射線治療
Postoperative chemoradiotherapy and radiotherapy for head and neck squamous cell carcinoma
木部 優一
1
,
全田 貞幹
1
Yuichi Kibe
1
,
Sadamoto Zenda
1
1国立研究開発法人国立がん研究センター東病院放射線治療科
pp.220-227
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201523
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POINT
●頭頸部扁平上皮癌の治療において,手術単独と比較して術後に放射線治療(RT)を加えることで生存が改善するかを直接比較した大規模なランダム化試験はないものの,複数の後ろ向きの報告の結果から術後リスクを有する患者に術後RTを施行することで治療成績が改善すると考えられるようになった。
●2つの大規模な前向きランダム化第Ⅲ相比較試験(EORTC 22931試験,RTOG 9501試験)の結果ならびにその2つの試験の統合解析の結果から,頭頸部扁平上皮癌術後,顕微鏡的断端陽性またはリンパ節転移節外浸潤陽性(いわゆる術後高リスク)を有する患者に対しては,術後高用量シスプラチン同時併用化学放射線治療(CRT)は術後RTと比較して生存を改善することが示された。
●毒性の軽減や入院期間の短縮を目的として,比較的低用量のシスプラチンを毎週投与する(weekly)レジメンの治療開発が進められている。
●術後CRTの標準併用抗癌剤はシスプラチンであるが,他の抗癌剤・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬といった新たな薬剤と放射線治療を組み合わせた治療開発も行われている。
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