Japanese
English
特集① 耳鳴診療のNew Trend
耳鳴と聴覚過敏
Tinnitus and hyperacusis
坂田 俊文
1
Toshifumi Sakata
1
1福岡大学医学部耳鼻咽喉科
pp.116-121
発行日 2018年2月20日
Published Date 2018/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201501
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POINT
●耳鳴と聴覚過敏はその発現機構が類似すると考えられており,治療も一部の例外を除いて共通する。
●耳鳴と聴覚過敏の多くは,音声入力の減衰による音量認知機能の変調が原因である。したがって,豊富な音環境や積極的な音声提示によって音量認知機能の修復を行う。
●耳鳴と聴覚過敏は生来健常者でも感じうるものであり,正常な脳機能の延長上にある現象とも解釈できる。したがって完全消失は不自然な治療目標であり,共生可能なレベルまでの緩和がエンドポイントである。
●多様な精神症状を伴うことがあるので,精神医学に準じた診療手法も望まれる。精神疾患が明らかであれば精神医学の支援を求める。
●発達障害や精神疾患を背景とする場合は,治療介入を控え,症状に起因する社会的困難への助言に終始することがある。
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