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特集 耳鼻咽喉科専門研修をはじめる医師へ―疼痛への対応
帯状疱疹,Hunt症候群
Herpes zoster,Hunt syndrome
伊藤 吏
1
,
稲村 博雄
2
,
青柳 優
1
Tsukasa Ito
1
1山形大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座
2いなむら耳鼻咽喉科クリニック
pp.191-195
発行日 2011年3月20日
Published Date 2011/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101766
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Ⅰ.はじめに
耳鼻咽喉科領域の日常診療において,頭頸部の疼痛を主訴として受診する患者は多く,その原因は腫瘍,炎症,神経痛,頸椎症などの整形外科的疾患,心因性のものなどさまざまである1)。なかでも帯状疱疹は激烈な痛みを伴う疾患の一つであり,水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)の再活性化により発症する。頭頸部領域では三叉神経の分枝領域に一致して出現することが多いが,顔面神経膝神経節に潜伏したVZVが再活性した場合には,耳帯状疱疹,顔面神経麻痺,第8脳神経症状を呈し,Hunt症候群と呼ばれる。初診時に皮疹が出現していれば診断は比較的容易であるが,疼痛が先行し皮疹がない場合には診断の鑑別はむずかしい。また,帯状疱疹は治療が遅れると後遺症として帯状疱疹後神経痛(post-herpetic neuralgia:PHN)を残してしまい,この痛みは難治性である。本稿では帯状疱疹,Hunt症候群の病態,診断,治療について解説する。
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