トピックス 頭頸部がん診療の最前線—どこまでわかるか・どこまで治るか
画像診断で頭頸部腫瘍がどこまでわかるか
松林 隆
1
,
石井 勝己
1
,
菅 信一
1
,
西巻 博
1
1北里大学医学部放射線科学教室
pp.9-17
発行日 1988年1月20日
Published Date 1988/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200093
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頭頸部に限らずいずれの部位の画像診断においても,正常組織と病的組織との区別ができる検査技術が存在することが前提であり,とくに病的組織が陽性像として描出され,正常と病変との境界が明瞭に表示されるものほど優れた診断法である。今まで頭頸部において最も有効なのは高解像性X線CTであったが,現在最も注目されている画像診断法は磁気共鳴画像法(magnetic resonanceimaging, MRIと略称)である。このとくに軟部組織の違いに対する感度が高く,放射線被曝がなく非侵襲的なMRIは,まだ発展途上にあるがすでにX線CTに優る点も多く,近い将来X線CTに取って代る気配である。
X線CT,MRIなどのコンピュータによるディジタル画像技術によって,かつてX線診断学が究極の目標とした肉眼的病理解剖像に匹敵する,見方によってはそれを凌駕する高解像度の腫瘍形態画像診断法が今日では現実のものとなっている。
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