書評
内視鏡下鼻副鼻腔・頭蓋底手術CT読影と基本手技[3DCT画像データDVD-ROM付]
吉崎 智一
1
1金沢大学・耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.758
発行日 2014年8月20日
Published Date 2014/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102936
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内視鏡下鼻副鼻腔手術の優れた実用的学習書
内視鏡下鼻副鼻腔手術が鼻科手術のスタンダードとなって久しい。内視鏡の登場で見えなかった部位が見えるようになり指導もしやすくなった反面,立体解剖の把握が困難となった。鼻副鼻腔手術はポピュラーな手術であるが,入りやすい一方で非常に多くの術式があり,個々の症例ごとの解剖学的バリエーションも多い奥行きの深い手術である。今日の鼻科手術では多くの手術装置や道具を使用するが,本書ではそのことを前提として,まず術者が座位で手術することのメリットを第1章の「セットアップ」で論理的に述べている。そして,内視鏡を把持する腕の安定のための手台をきちんとセットすること,モニターとナビゲーションの位置,さらには各種フットスイッチの配置などが詳細に解説されている。
第2章の「基本操作」でも初心者にわかりやすくシェーバー使用法のコツが解説されている。第3章の「鼻副鼻腔炎に対する手術 基本編」では,ポリープ切除や鉤状突起切除手技に始まり後鼻神経切断術や嗅覚温存の工夫まで11項目についてしっかりとポイントが解説されている。鉤状突起切除の項では「最も重要なことはしっかりと観察すること」で,具体的には「内視鏡所見と術前CT所見を整合させること」が手術上達のカギであると述べられている。多くの画像を用いて解説されており,具体的なポイントがつかみやすい。
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