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特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の最新トピックス
≪喉頭領域≫
加齢による音声障害
Voice disorder by aging
平野 滋
1
Shigeru Hirano
1
1京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.74-80
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102716
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POINT
●加齢による音声障害は,呼気流・呼気圧の低下,声帯粘膜・筋肉の萎縮と脆弱化などが原因となって起こる。
●声帯粘膜の組織は,ヒアルロン酸の減少とコラーゲンの蓄積による線維化をきたし萎縮する。
●診断は喉頭内視鏡検査,特にストロボスコピー検査によってなされ,声帯粘膜の萎縮,振動の減弱化,声門閉鎖不全を認める。
●音声治療は音声機能拡張訓練(vocal function exercise),共鳴法などが用いられ,症例によっては効果があるので最初に行う治療として適している。
●声帯内方移動術(甲状軟骨形成術,喉頭注入術)は声門閉鎖不全の是正には役に立つが,音声の改善は不十分なことが多い。
●粘膜萎縮に対しては塩基性線維芽細胞増殖因子による再生医療が効果的である。
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