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特集 これを読めばPETがわかる
悪性リンパ腫のPET
PET for malignant lymphoma
村上 康二
1
,
中原 理紀
1
,
緒方 雄史
1
,
古賀 清子
1
Koji Murakami
1
1慶応義塾大学病院放射線診断科核医学部門
pp.755-761
発行日 2011年9月20日
Published Date 2011/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101958
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Ⅰ.はじめに
Positron emission tomography(PET)が2002年に保険適用になってから今年でほぼ10年が経過した。その間PETは急速に普及がすすみ,2011年4月現在では全国で282施設,423台が稼働している。多くの基幹病院に導入,もしくは近隣にPET施設が設立されており,もはやPETは特殊な検査ではなく,日常診療の中の画像診断法として確立している。さらに昨年の診療報酬改訂により適用疾患が早期胃癌を除くすべての悪性腫瘍に拡大され,現在は癌の画像診断として不可欠の存在といえよう。
本稿で取り上げる悪性リンパ腫は2002年の保険採用当初からPETの適用疾患であり,最も頻繁に検査が施行されてきた疾患の一つである。しかしながら,多くの施設ではたとえ頭頸部原発であっても,悪性リンパ腫と確定診断された段階で耳鼻咽喉科,あるいは頭頸部外科の手を離れて血液内科や腫瘍内科へ主治医が交代されるものと思われる。したがって,耳鼻咽喉科医(頭頸部外科医)がこの領域にかかわる範囲は限られるが,関連領域の知識として知っておいて無駄ではないであろう。
PETの役割は治療前の病期診断,そして治療効果判定,再発診断に分かれるが,以下,最初に悪性リンパ腫におけるPETの現状について述べ,引き続き役割別に概説したい。
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