特集 耳科診療の論点―異なる立場の対話とディベート―
さまざまな手術法の中から
鼓室形成術の周術期管理について―日帰り手術の立場から―
松田 圭二
1
Keiji Matsuda
1
1まつだ耳鼻咽喉科 宮崎サージクリニック
キーワード:
鼓室形成術
,
周術期管理
,
日帰り手術
,
局所麻酔
,
中耳手術
,
めまい
,
キシロカイン内耳麻酔
Keyword:
鼓室形成術
,
周術期管理
,
日帰り手術
,
局所麻酔
,
中耳手術
,
めまい
,
キシロカイン内耳麻酔
pp.326-328
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001008
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はじめに
今回は,局所麻酔での日帰り手術に絞って話を進めたい。患者さんが歩いて来院し,手術後,歩いて帰宅するのが局麻日帰り手術の基本となる。私自身,勤務医時代の大半を麻酔医による全身麻酔で中耳手術を行い,術後10日ほど入院するという診療スタイルであった。局麻中耳手術は,キャリア最初の8年ほどを中心に300例ほどを行っていたに過ぎず,術後入院期間は全麻の場合と同じであった。2019年夏,新規開業にあたって病床や麻酔医の確保ができず,局麻日帰り手術へと診療スタイルの変更を迫られた。この方法では,術者が局所麻酔で手術を行い,術後は基本自宅で養生するため入院病床や全麻の設備投資を必要としない。幸い近くに地域連携病院が確保でき,入院希望者は1~2泊入院を受け入れてもらえることになった。
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