特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の検査マニュアル―方法・結果とその解釈
Ⅴ.口腔・咽頭・唾液腺の検査
1.口腔アレルギー検査
河野 正充
1
,
保富 宗城
1
,
山中 昇
1
1和歌山県立医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.175-179
発行日 2010年4月30日
Published Date 2010/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101608
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Ⅰ はじめに
口腔は呼吸器の一部であると同時に消化管の一部でもあり,細菌,ウイルスなどの病原体や多量の食物,種々の嗜好品など無数の抗原に常時さらされている。一方,口腔の粘膜下には抗原提示細胞である樹状細胞が多量に存在しており,侵入した抗原に対する局所および全身の免疫応答を誘導することが知られている。
近年,食物摂取時に口腔咽頭粘膜の刺激症状を主とするⅠ型アレルギー反応の一種が発生することが知られており,口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)として注目されている1)。本稿では,口腔アレルギー症候群の診断と検査について述べる。
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