特集 オフィスサージャリー・ショートステイサージャリー
23.頸部リンパ節生検
河田 了
1
1大阪医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.177-183
発行日 2008年4月30日
Published Date 2008/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101262
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Ⅰ はじめに
オフィスサージャリー,日帰り手術,ショートステイサージャリーを比較した場合,この順番に侵襲が大きな手術ということができる1)。オフィスサージャリーは一般に,診療所レベルで施行できる,原則として局所麻酔の手術と考えられる。日帰り手術は病院やサージセンターで行われ,主に全身麻酔で施行され,24時間以内に帰宅する手術と理解される。一方,ショートステイサージャリーは,1泊2日かせいぜい2泊3日の手術で,オフィスサージャリー,日帰り手術と比較するとやや侵襲のあるケースと思われる。短期入院や日帰り手術は時代の要請でもあり,今後ますます盛んになるものと考えられる。一方,病院(診療所)に滞在する時間の短縮は,術後の管理の面では不利であり,そのためにも確実で安定した手術準備,手技が要求される
頸部リンパ節生検は摘出する部位にもよるが,オフィスサージャリーより日帰り手術やショートステイサージャリーに属すると考えられる。その理由として,頸部には狭い範囲に重要な神経や血管が走行すること,全身麻酔で施行するほうが安全であること,生検術を行う者(施設)とその後の治療を行う者(施設)が同一であるほうがよいこと,などが挙げられる。
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