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特集 耳鼻咽喉科専門研修をはじめる医師へ―外来処置,手術のコツ,注意点
3.鼻アレルギー処置・手術
3.Specialist care and surgical treatment for outpatients with allergic rhinitis
窪田 市世
1
Ichiyo Kubota
1
1東京女子医科大学耳鼻咽喉科
pp.1005-1012
発行日 2007年12月20日
Published Date 2007/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101180
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Ⅰ.はじめに
日本のアレルギー性鼻炎の有病率は鼻アレルギー診療ガイドライン2005年版1)によると通年性が10~20%,季節性が10~15%と推定されている。また2004年10月の厚生統計患者調査における傷病別通院者率では,アレルギー性鼻炎として,人口1,000人に対して15.7人(高血圧症,腰痛,ムシ歯,糖尿病,肩こり,高脂血症,白内障,歯周病,関節痛,前立腺肥大に次いで11位)で,男女差はなく,年齢別では5~14歳が1,000対36.4とピークを示していた2)。このようにアレルギー性鼻炎は,耳鼻咽喉科疾患のなかでも患者数の多い疾患で,低年齢化が目立ってきている。
抗アレルギー薬の効果が国民に浸透したことから,待ち時間の長い耳鼻咽喉科よりも最寄りの内科系診療科で投薬を受ける症例が増えている。そのため,耳鼻咽喉科には難治例,重症例,診断の不適切な症例,薬物が制限される症例などが集まる傾向にあり,われわれ耳鼻咽喉科医には,より専門性を発揮した治療が望まれているといえる。アレルギー性鼻炎に関し,適切な患者指導,外来処置,症例に応じた薬物治療,また難治症例に対しては手術療法も提案できることが専門医には必要である。
本稿では,これらの耳鼻咽喉科治療のなかで,外来で行う処置および手術のコツ・注意点に関し,実際的な視点から述べることにする。
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