シリーズ 難治性疾患への対応
②急性中耳炎
小林 一女
1
1昭和大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.243-248
発行日 2005年3月20日
Published Date 2005/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100096
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Ⅰ.はじめに
急性中耳炎は,小児の耳疾患では最も頻度の高い疾患である。生後1歳までに15~20%,2歳までに22~74%,3歳までには50~70%の小児が少なくとも1回は罹患するといわれている1)。抗菌薬の発達した現在でも急性中耳炎は軽症化するどころか,難治例が増えている。
難治例が増えた原因は,耐性菌の出現や増加など細菌側の要因,免疫の未熟さなど宿主側の要因が考えられる。これには抗菌薬の選択,投与方法など治療に関すること,保育園への通園など患者を取り巻く環境の変化などが関係している。
本稿では小児急性中耳炎,特に難治例について解説する。
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