連載 眼科手術のテクニック—私はこうしている・40
Anterior segment reconstruction(前眼部の形成術)
坪田 一男
1
1東京歯科大学市川総合病院眼科
pp.476-478
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908423
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Anterior segment reconstructionとは何か
白内障術後の水疱性角膜症や,ぶどう膜炎などの合併症を伴った角膜混濁などにおいてはしばしば前眼部の異常を伴うことが多い。問題は,硝子体の前房への脱出,虹彩前癒着,虹彩後癒着,眼内レンズの位置異常,虹彩萎縮などである。Ante-rior segment reconstruction (前眼部形成)はこれらの問題に対して,積極的に前眼部の形成を行う術式をいう。従来手術侵襲を抑えて,処置を控えることの多かった虹彩に対して手技を加えることになるが,術後の結果はむしろ良好であることが多い。最も根本的な概念は虹彩と角膜の位置関係を正常に保ち,隅角を開いて前房を形成することにある(図1)。
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