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レーザ眼科学
野寄 喜美春
1
,
天野 清範
1埼玉医科大学
pp.443-444
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908354
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ダイオードレーザー光凝固の問題点
ダイオード(半導体)レーザーは通信など他の分野では既に利用されているが,光凝固に利用するには出力に問題が残っていた。しかし,最近の試作機では,角膜面上で1.7Wが得られるようになり、十分臨床応用が可能となった。約100例の臨床経験を基に,現在の試作機によるダイオードレーザー光凝固について述べると、まず裂孔閉鎖の症例では,標準凝固条件で凝固しても,凝固後検眼鏡的に凝固斑が確認できない。網膜での吸収は,今回810nmの波長を用いているが,可視光レーザーと比較して約20%ぐらい低い。ほぼ同条件のダイレーザー(630mm)の凝固と比較しても,術後の凝固斑は不明瞭であり,pigmentationは1年位してから現れるものもある。
凝固効果としては,網膜色素上皮から脈絡膜にかけて変化がみられるが,脈絡膜の凝固効果が強いようで,深部出血を起こした症例を経験している。出血性疾患の凝固例では,再凝固の際に大出血を起こす危険がある。
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