連載 他科との連携
他科との連携における問題点,その長所短所
郡司 久人
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院眼科
pp.1761-1763
発行日 2001年10月15日
Published Date 2001/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907536
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
眼科は独立した診療科であると同時に,未熟児から高齢者に至るまで老若男女すべての世代の患者を対象としています。また同時に,眼には全身の多極多様な疾病が一部顔を出すことも少なくありません。したがって私たち眼科医が他科と連携し協力して一人の患者を診ていくことは,そう稀なことではありません。そういった日常診療のなかには連携にまつわるさまざまな問題が,それこそよきにつけ悪しきにつけ発生します。今回はこういった問題を自ら経験したケースを例に挙げて紹介したいと思います。
近年の眼科は白内障をはじめ外科手技の飛躍的向上により,主流は外科系に傾いてきてはいます。しかしながらどんなに手術手技が進歩しても内科的に治療しなければならない疾患も相変わらず存在していますし,むしろこちらのほうが難病と考えられるものが多く,興味深い症例であることが多いことも事実です。そのような症例のうち,他科との連携がスムーズにいくものは慢性疾患による眼症状を持つものだろうと思います。糖尿病や,高血圧,動脈硬化をはじめ生活習慣病に起因するものは,その治療はその原因である内科疾患の治療を同時に行わなければ対処療法も全くの一時しのぎにしかなりません。当然原因疾患の治療を他科に依頼し,眼科的治療を同時進行で行うことで治療を進めることになります。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.