特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
外来診療のポイント(所見からみた疾患)—私はこうしている
心因性視覚障害
山出 新一
1
1滋賀医科大学眼科学教室
pp.158-161
発行日 1999年9月30日
Published Date 1999/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906564
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心因性視覚障害は手術や投薬で治療するものではないので,書類としてのインフォームドコンセントとはあまり関係がない。しかし「インフォームドコンセント時代」というのは書類そのものではなく,医師—患者間の十分な意思疎通が要求される時代という意味であり,その意味で心因性視覚障害に求められる対応も他の疾患と変わるところはない。
心因性視覚障害というと「原因不明の視力障害」というイメージが強く,診断が難しい,あるいは鑑別すべき疾患を十分に除外しなければならないと考える傾向がある。確かに手術や投薬で治すという性質のものではないので,単純に割り切ることは難しく,眼科としては扱いにくい点がいろいろとあることは事実である。しかしその特徴を理解していれば,少なくとも典型的な症例の診断は決して難しいことではない。心因性視覚障害を扱うポイントについて筆者が日ごろ心がけていることを述べてみることにする。
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