特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
外来診療のポイント(主訴から診断まで)—私はこうしている
光視症・虹視症
引地 泰一
1
1旭川医科大学眼科学教室
pp.45-47
発行日 1999年9月30日
Published Date 1999/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410906531
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光視症
光視症は,視野の一部分に瞬間的に光を自覚する症状である。光の形や光が発生する視野の位置,他の随伴症状などは光視症の原因によってそれぞれ特徴があり,これらの情報から光視症の原因を類推することができる。しかし日常診療では,教科書に記載されているような典型的な症状を患者自らが訴えて来院することは少ない。言葉で表現された自覚症状は,主観的な自覚症状にさらに主観的な言語表現が加わり,きわめて多彩になる。光視症の原疾患の診断には,鑑別診断を進める上で重要ないくつかの項目を,問診を通じて聞き出し,情報を取得し,患者の多様な訴えを原因ごとの典型症状へと分類していく必要がある。光視症の原因診断には問診が最も重要であることを強調したい。
閃輝暗点を光視症の一部として分類するか否かについて,その取り扱いは教科書によりまちまちである。しかし臨床の現場においては,光視症の鑑別として閃輝暗点を必ず考慮しなければならず,問診によって両者の鑑別が進められていく。そこで本稿では,片頭痛の前兆としてみられる閃輝暗点を光視症に含め記載することにする。
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